耐震基準が能登地震がきっかけで1981年・2000年に続く3度目の改正?

実家のリフォームに関する基礎知識

石川県や富山県に大規模な被害をもたらした能登地震。

そんな能登地震に関して被災地域の珠洲市正院町で倒壊した建物の半数が震度6強以上でも倒壊しない建物として定めた新耐震基準を満たしていた建物だったというデーターが判明し耐震基準に関心が高まっているようです。

今回の能登地震を受け改めて地震に強いリフォームを前向きに検討された方も多いと思いますが耐震基準はそのリフォームを行う上での指針ともいうべきものです。

そしてこの耐震基準はこれまで2回改正されています。

そこで本記事ではそんな耐震基準についてこれまで2回の改正に影響を与えた地震や多くの方が勘違いしやすい新耐震基準、そして今回の能登地震を受けての改正の可能性などまとめていきたいと思います。

耐震基準は1981年と2000年に改正!影響を与えた地震は何?

耐震基準は建築基準法という法律でその詳細が定められています。

この法律は1950年に施行されました。

それから約30年後の1981年に耐震基準について1回目の改正が行われます。

このきっかけとなった地震は1978年に死者16人・重軽傷10、119人・住家の全半壊が4、385戸・一部損壊が86、010戸という被害をもたらした宮城県沖地震でした。

それから約20年後の2000年に2回目の耐震基準の改正が行われます。

このきっかけとなったのは1995年に死者6、434人・重軽傷43、792人・住家の全半壊が249,180棟・一部損壊が390、506戸という壊滅的な被害をもたらした阪神淡路大震災でした。




耐震基準の新基準と旧基準、現行耐震基準とは何?

このように耐震基準は1950年に建築基準法の施行とともに誕生し1981年と2000年に改正をしたものが現在の基準となっています。

さてここでです・・・冒頭でお話しした『新耐震基準』ですが大きな注意点があります!

新耐震基準という言葉だけを見ると「これは一番新しい2000年の改正後に施行されている現在の最新の耐震基準である」と勘違いしそうですよね?

実はこの新耐震基準は2000年ではなく1981年の改正で誕生した耐震基準のことを指します!

(そしてこれよりも前の基準・・・すなわち1950年の建築基準法施行時のオリジナルの耐震基準を旧耐震基準というのです。)

では最新の耐震基準である2000年の改正時に誕生した耐震基準は何というのか?・・・これは『現行耐震基準』と呼ばれています。

非常に勘違いしやすいのでしっかりポイントを抑えましょう!

耐震基準は能登地震がきっかけでの3度目の改正はあるのか?

さてこのように新耐震基準は最新の耐震基準というわけではありません!

また石川県の大規模被災地域でも2000年の改正後に施行された現行耐震基準を充たしていた建物は軽微な被害でとどまっていたという事例が報告されています。

そのため現行耐震基準が見直しの時期にあるとは一概には言えません!

しかし➀これまでの改正が20~30年の間隔で行われていることや➁記憶に新しい東日本大震災以後には耐震基準の改正が行われていないことの2点から今回の能登地震がきっかけとなって3度目の耐震基準の改正があってもおかしくはないのではないかと予想します。

南海トラフの脅威もあるため耐震基準改正を巡る今後の動向には注目していきたいですね。

「耐震基準が能登地震がきっかけで1981年・2000年に続く3度目の改正?」まとめ

以上「耐震基準が能登地震がきっかけで1981年・2000年に続く3度目の改正?」でした。

ちなみにもし改正された場合ですリフォーム費用を安く抑えられるということにもつながってきます。

地震対策リフォームを行うべきかどうかの判断のために耐震診断があります。

これは既存の建築物の構造的強度を調べ想定される地震に対する安全性(耐震性)や受ける被害の程度を判断する調査のようなものです。

実はこれはそこそこお金がかかる(耐震診断の相場費用はコチラ!)のですが自治体によっては無料で診断を受けることができるのですがそのほとんどが耐震基準が旧基準に沿って建てられた建物が対象となっている場合が多いです。

そのため新耐震基準施行以降の建物は無料診断の対象外となっているのが現状なのですが・・・能登地震がきっかけで3度目の耐震基準改正となれば無料で耐震診断を受けることのできる範囲が新耐震基準に沿って建築された建物にまで拡大される可能性があります!

耐震基準改正だけでなくそれを受けて自治体がどういう対応をするかも注目と言えそうですね!

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