実家のリフォームと贈与税の意外な関係!子が親名義の実家リフォーム費用を負担する際は要注意!

実家のリフォームと贈与税の意外な関係!子が親名義の実家リフォーム費用を負担する際は要注意! 実家のリフォームに関する基礎知識

親孝行として実家のリフォームを検討中の方は多いですよね。

さて一般的に実家は所有者が親名義として不動産登記されている場合がほとんどだと思います。

実はこの実家が親名義の場合に恩返しとばかりにリフォーム費用を子供が負担する場合贈与税が発生する場合があるのをご存じでしょうか?

以下「実家のリフォームと贈与税の意外な関係!子が親名義の実家リフォーム費用を負担する際は要注意!」として解説していきます。

本記事は実家のリフォームと贈与税の意外な関係について解説していくよ!

親名義の実家のリフォーム費用を子が負担する場合は贈与税が発生?

親名義の実家をリフォームする場合そのリフォーム費用の支払いには大きく以下の3つが考えられます。

・➀親が全額支払う

・➁親と子が出し合う

・⓷子が恩返しとして全額負担

このうち➀に関しては贈与税が発生することはありません。

しかし➁と⓷のパターンに関しては贈与税が発生する可能性があるのです!

親名義の実家のリフォーム費用を子が負担する場合は贈与税が発生するのは何故?

「親名義の実家のリフォーム費用を子が負担するのになんで贈与税がかかるの?」と疑問に思いますよね。

一体なぜ贈与税が発生することになるのでしょうか?

実は日本の税法上親の名義実家のリフォーム費用のうち子どもが110万円以上を負担した場合「その住宅を贈与した」と判断され親に贈与税の支払い義務が発生してしまうのです。(110万円までは非課税枠として扱われます)

例えば子どもが親名義の実家のリフォーム費用1,110万円を全額負担した場合非課税枠の110万円を差し引いた1,100万円が贈与税の対象(=「課税価格」)となってしまうのです。

親名義の実家のリフォーム費用を子が110万円以上負担する場合の贈与税 気になる税率や税額は?

では親名義の実家のリフォーム費用を子が110万円以上負担してしまった場合に発生する贈与税の気になる税率や税額はどれくらいになるのでしょうか?

贈与税の税額は贈与税の対象となる「課税価格」に「税率」(課税価格ごとに決められている)をかけた額から「控除額」(課税価格ごとに決められている)を引くことで算出されます。(贈与税計算式=課税価格✕税率ー控除額)

以下参考までに子が親へ贈与した場合の課税価格ごとの税率や控除額を表にして紹介します。

課税価格税率控除額
200万円以下10%0円
200万円超300万円以下15%10万円
300万円超400万円以下20%25万円
400万円超600万円以下30%65万円
600万円超1000万円以下40%125万円
1000万円超1500万円以下45%175万円
1500万円超3000万円以下50%250万円
3000万円超55%400万円

これを上述の子どもが親名義の実家のリフォーム費用1,110万円を全額負担した場合にあてはめて考えてみると贈与税額は以下のようになります。

課税価格1100万円✕税率45%ー控除額175万円=贈与税額320万円

かなりえげつない金額だね!!

親名義の実家のリフォーム費用を子が110万円以上負担する場合の贈与税 支払いを免れる方法は?

このように子が親名義の実家のリフォーム費用を負担する場合はリフォーム費用の他に何100万円単位での贈与税を支払わなくてはいけないケースがあります。

しかし贈与税を支払わなくてもよい抜け道のような方法があります!

それは実家の名義を親から子に名義変更したうえでリフォームをするという方法です。

そしてこの名義変更には➀実家を親から子に売買する場合➁実家を親から子に贈与する場合の2パターンが存在するのですがそれぞれ注意点があります。

以下それぞれについて解説していきます。

贈与税対策に親名義の実家を子供に売買してリフォームを行う際の注意点

実家を親から子に売買したうえで名義変更する場合は実家を売った親に譲渡所得税がかかります。

この譲渡所得税は「譲渡価額(実家の売値)-(取得費+譲渡費用)-特別控除」により算出されます。

さてここで注意するべきポイントがあります。

実家の売買は親と子で行われます。

これが不動産業者に売るのであればその時の時価で売却することになるわけですが今回は親子間がリフォームの際の贈与税対策のために行う売買のため売値は親子で自由に決めることができます。

そのため時価より極端に低い金額で子に実家を売るということも可能になります。(売値が低いほど親に係る譲渡所得税額は少なくなる!)

しかし残念ながらこのやり方はアウトです。

実は時価よりも安い売値で売買した場合は『低額譲渡』と呼ばれ「時価と売値の差額が贈与を受けた額」という扱いとなり実家を買った子に贈与税がかかることになるのです。

必ず時価に近い金額で売買した方が無難と言えます。

贈与税対策に親名義の実家を子供に売買してリフォームを行う際の注意点

実家を親から子に贈与したうえで名義変更する場合は贈与を受けた子に贈与税がかかります。

この際の贈与税は実際に不動産を評価したうえでの額(固定資産評価額)に基づいて行うこととなりその額が大きいほど贈与税の額も大きくなります。

そのためこの実家を親から子に贈与する方法は実家の固定資産評価額が大きい場合はおすすめではないのですが・・・実はここにも抜け道として相続時精算課税制度というものがあります。

これは60歳以上の親や祖父母から118歳以上の子や孫に対して行われる贈与が2、500万円まで非課税になる制度です。

もっともこの制度によると「贈与財産は贈与者が亡くなったときに相続財産と合算して相続税の計算対象となる」など素人にはよく理解できない点も多いです。

もしこの制度の利用を検討される方はご自身でしっかり勉強し理解を深めるか税理士さんに相談しましょう!

「実家のリフォームと贈与税の意外な関係!子が親名義の実家リフォーム費用を負担する際は要注意!」まとめ

以上「実家のリフォームと贈与税の意外な関係!子が親名義の実家リフォーム費用を負担する際は要注意!」として子が親名義の実家のリフォーム費用を負担する場合の贈与税について解説しました。

リフォーム金額によってはかなり高額な税額となることもあるため恩返しをした結果親子間で思わぬ遺恨を生まないためにも是非事前に知っておきたいリフォーム雑学と言えますよね。


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